液状シリコーンゴムの化学的性質

Sep 03, 2024伝言を残す

                                                           液状シリコーンゴムの化学的性質

 

液状シリコーンゴム(LSR)は、独特で安定した化学的性質を持つ重要なポリマー材料です。以下は、LSR の化学的性質の主な特徴です。

1. 基本的な化学的性質

分子構造:液状シリコーンゴムは、主にシリコン(Si)と酸素(O)元素で構成されており、通常は炭素(C)と水素(H)元素も含まれています。その分子鎖は主にシロキサン結合(Si-O-Si)で構成されており、高い結合エネルギーを持ち、LSRに高い熱安定性と化学的安定性を与えています。

溶解度:LSR は水やあらゆる溶剤に溶けないため、多くの用途で安定した性能を維持し、外部媒体による侵食にも耐性があります。

非毒性:液状シリコンゴムは無毒、無臭で、食品グレードの基準を満たしているため、哺乳瓶の乳首や食品用金型など、食品と接触する用途に広く使用されています。

2. 化学的安定性

酸およびアルカリ耐性:LSR は酸や塩基に対する耐性が優れており、広範囲の pH 値にわたって安定した状態を保つことができるため、酸性物質やアルカリ性物質による腐食に耐性があります。

耐高温性:LSRは耐熱性が高く、高温環境下でも安定した物理的・化学的特性を維持できるため、自動車のエンジン部品や電子部品など耐熱性が求められる用途で大きなメリットがあります。

耐酸化性:LSR は、酸化、分解、劣化しにくく、室温で長期間保管できます。この耐酸化性により、耐用年数が長くなり、メンテナンス コストが削減されます。

3. 反応性と架橋

架橋反応:LSRは加硫時に架橋反応を起こし、三次元ネットワーク構造を形成します。この架橋構造により、加硫後のLSRは高弾性、高強度など優れた物理的特性を発現します。

反応性:LSR の官能基 (ビニル結合や Si-H 結合など) は、他の物質と化学的に反応して、特定の機能や変更を実現できます。この反応性により、LSR は材料科学や工学の分野で幅広い用途に使用されています。

4. その他の化学的性質

透過性:LSR はある程度のガス透過性があり、ガスは通過しますが液体は通過しません。この特性により、通気性膜などの特定の特殊用途において独自の利点が得られます。

生体適合性:LSRは生体組織との適合性が高く、拒絶反応やアレルギー反応を起こさないため、人工臓器や医療機器など医療・ヘルスケア分野で価値の高い材料です。

これらの特性により、液状シリコーンゴムは幅広い用途に使用できる優れた材料となっています。

 

 

 

 

 

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